こと

  • 作品

白蓮White Lotus

1992年3月初演。翌年には大野一雄が中学時代を過ごした秋田県大館市でも上演された。1994年から開始された「大野一雄全作品上演計画」において、1997年に上演される可能性が浮上したものの、結局1993年以降の再演はなく、フルで上演されたのは3回に留まる。

1991年に公開された大野一雄・大野慶人出演の舞踏映画<魂の風景>で音楽を担当した三宅榛名が作曲・演奏を担い、共演した。初演では、三宅のピアノ演奏の他に、日替わりで溝入敬三のコントラバスと、崎元譲のハーモニカが入った。
三宅が大野一雄について書いたエッセイによると、本質的にゆれ動く天秤のような大野一雄の踊りに対し、「切り込み、対立することのできる音の空間をどうつくるか」を考え、「あやうい平衡を保つ音楽を、作曲と演奏のプランとした」(「現代詩手帖」1992年6月号所収、三宅榛名「凝縮の様式ー大野一雄のおどり」より)。三宅榛名との邂逅なしには生まれなかった作品となった。

初演のプログラムより構成:
1.ランボウの「地獄の季節」、本を読むのが初めてで(終戦直後)、私にとって難解どころか言葉の出しようもなかった。でも、何故か「祭」という言葉だけが私のどこかに刻み込まれている様。宇宙と虫めずる中に在って、狂気が私を支えてくれる。
2.口に咥えたドレス
  骨が水を飲みたがっている
3.虫めずる人
  虫めずる頃
  虫めずる時
  虫めずる孤獨
4.盥と土車
5.白蓮
  黄昏の春、女の霊はいづこへ。訪れるものは地蔵と夜明の花のみ。鎮魂の白蓮が

基本情報

資料ID
WKS53
作品タイトル
白蓮
作品種別
舞踏
制作/公開年
1992年
初演会場
TOKYO FMホール
出演者・スタッフ(初演)
演奏
三宅榛名 / Haruna Miyake, 溝入敬三 / Keizo Mizoiri, 崎元譲 / Jo Sakimoto
音楽
三宅榛名 / Haruna Miyake
音響
坂井利徳 / Toshinori Sakai, 中沢英二 / Eiji Nakazawa, 大野慶人 / Yoshito Ohno
照明
杉浦弘行 / Hiroyuki Sugiura, 溝端俊夫 / Toshio Mizohata
舞台監督
大川裕 / Hiroshi Ookawa
スタッフ
中村森綱 / Moritsuna Nakamura, ヨリ・ラン / Yori Ran
使用音楽
演奏・作曲・ピアノ:三宅榛名 他
(初演のみ)コントラバス生演奏:溝入敬三 / ハーモニカ生演奏:崎元譲 

上演履歴

戻る