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大野一雄は体育教員として勤務していた横浜にある捜真女学校で長年クリスマス・ページェント（聖劇）を指導した。自らが教会員であった捜真バプティスト教会のクリスマス燭火礼拝でも子供達と共にページェントに参加し、いずれの場合でも時に自らが聖母マリア役を踊ることもあった。生徒達には、ユダやペテロ、マリアやヨゼフ、羊飼いなどの気持ちを自分なりに捉え熟考するよう求め、神様を讃える形は決まっていないと、その場で溢れてくる自然な思いが動きとなるように指導した。高校時代に指導を受けた作家の角田光代は、その経験を元に大野一雄についてショートエッセイにしたためている（『大野一雄年代記1906-2010』所収）。捜真女学校では、一雄の教えを基盤としたページェントの伝統を今も守り続けている。