ひと
- 人物
高井富子Tomiko Takai
1953年頃に江口隆哉・宮操子舞踊研究所に入所し、同舞踊団の公演をはじめ、様々なモダンダンス公演に出演。60年頃から大野一雄や土方巽に師事し、舞踏の黎明期を体験した。1967年7月に行われた「高井富子舞踏公演 形而情學」、翌68年の「まんだら屋敷」は土方巽の演出で、土方をはじめ、大野一雄、石井満隆、笠井叡などが出演し、美術を中西夏之、谷川晃一、清水晃が担った。1986年2月に「形而情學 其ノ弐」を発表、2004年の第一回大野一雄フェスティバルでは「其ノ十四」を踊り、晩年まで自らの作品に「形而情學」を冠し続けた。1990年代からは海外にも活動の場を広げ、とりわけ、オーストラリアの舞台美術家のメアリー・ムーアは高井をフィーチャーして「Exile」というソロ作品を演出、オーストラリアのみならず上海でも上演した。
土方巽や大野一雄から受け取った言葉に何度も立ち還って研鑽を積んだその踊りには少女から老婆までが立ち現れ、年を重ねるごとに深い円熟の境地を現した。享年80歳。
基本情報
- 資料ID
- PER66
- 生誕
- 1931年3月31日 群馬県勢多郡大胡町
- 死没
- 2011年5月28日 神奈川県
- 職業
- 舞踏家
略歴
1953年頃 江口隆哉・宮操子舞踊研究所に入所 1954年6月 江口隆哉・宮操子舞踊団大阪公演「プロメテの火」(大阪産経会館)に出演、その後も多くの江口・宮舞踊団の公演に出演した
1958年7月 東京モダンダンス公演(第一生命ホール)「さぼてん」ほかに出演、「黒人霊歌」振付
1958年12月 劇団人間座・現代舞台芸術協会合同公演「はんちきき」に出演 1965年7月 第4回新鋭中堅舞踊家による創作舞踊公演(虎ノ門ホール)に「乳母車」出品。前年の同公演出品の「かなしむ」に続いて、笠井叡と共演
1967年7月 高井富子舞踏公演「形而情學」(紀伊國屋ホール)。演出・振付:土方巽、出演:土方巽、大野一雄、笠井叡、石井満隆。美術:中西夏之、谷川晃一、清水晃
1968年9月 高井富子舞踏公演「まんだら屋敷」(第一生命ホール)。演出・振付:土方巽。出演:土方巽、大野一雄。美術:清水晃
1976年 「O氏の死者の書」(長野千秋監督作品、大野一雄他出演。撮影は73年から行われた)に出演
1985年3月 土方巽作・演出・振付「東北歌舞伎計画一」(スタジオ200)に出演
1985年5月 <暗黒舞踏前橋初公演>「ひとがた」に出演(煥乎堂音楽センター)。構成・演出・振付:土方巽。共演:芦川羊子
1986年2月 高井富子舞踏公演「形而情學其ノ二 蛇の目の蝶」(草月ホール)
1986年 高井富子舞踏公演「形而情學其ノ三 火柱子」(転形劇場T2スタジオ)
1990年2月 高井富子舞踏公演「形而情學其ノ五 野花の露」(スタジオ200)。「野花の露」はフランクフルト(1991)、ゲッティンゲン(1993)、パリ(1998)、アデレード(1999)などでも上演された
1992年2月 「形而情學其ノ六 雪間のつらら草」(ドイツ文化会館)
1998年3-4月 アデレードフェスティバル参加作品「Masterkey」(The Space Theatre)出演。原作:戸川昌子、演出:メアリー・ムーア
2000年8月 高井富子ソロ"Exile"(シドニー、オペラハウス・スタジオ)。演出:メアリー・ムーア。同作品は上海(2000)、アデレード(2004)でも上演された
2003年4月 カナダの舞踏家ジョスリーヌ・モンプティとのデュオ作品「Les cerisiers ont envahi les espaces comme incendie」に出演(モントリオール・アウトルモント劇場)。2010年には同作品を元にした同タイトルのドキュメンタリー映画(ミレイユ・ダンセリュー監督)がリリースされている
2004年7月 第1回大野一雄フェスティバルに参加し、「形而情學其ノ十四」を上演
2007年1月 「大野一雄百歳の年 ガラ公演 百花繚乱」(神奈川県立青少年センター)に出演 2008年12月 ASIA TRI JOGJA 2008 "The Life of Butoh" (ジョグジャカルタ)に出演
2009年12月 ブルガリアソフィア・レッドハウスホール及びブダペスト・国立ダンスシアターにて「形而情學」短縮版を上演
2010年11月 大野一雄フェスティバル2010「終わりのない舞踏会」に出演
2011年5月 自宅にて急逝
2011年10月 大野一雄フェスティバル2011でシンポジウム「高井富子 形而情學をめぐる旅ー大野一雄と土方巽を師として」が開催された
