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細江英公Eikoh Hosoe

舞踏が舞踏となる以前からその踊り手に伴走してきた写真家。1959年、土方巽の<禁色>を見て感銘を受けたことから、土方巽やその周りの踊り手との交流が始った。写真で舞踏を舞踏たらしめたような強烈なイメージを数多く残している。1960年に制作した映画<へそと原爆>には、土方巽と大野慶人が出演した。大野一雄は、代表作<ラ・アルヘンチーナ頌><わたしのお母さん><睡蓮>など、多くの公演ポスターに細江英公の写真を使っている。2006年の大野一雄100歳の誕生日には、40年余にわたる大野一雄とのコラボレーションを集成した写真集『胡蝶の夢 - 細江英公人間写真集 舞踏家・大野一雄』を大野一雄に捧げた。

基本情報

資料ID
PER4
生誕
1933年3月18日 山形県米沢市
職業
写真家
国籍
日本

略歴

1948年 初めて自分のカメラを購入

1949年 都立墨田川高等学校に進学、英語部と写真部に所属

1951年 第1回富士フォトコンテスト・学生の部で最高賞を受賞

1952年 デモクラート美術家協会のメンバーや若い芸術家たちと交流する

1954年 東京写真短期大学(現・東京工芸大学)写真技術科を卒業

1956年 初個展「細江英公写真展 フォトストーリー『東京のアメリカ娘』」(銀座・小西六フォトギャラリー)

1960年 個展「おとこと女」。土方巽や大野慶人などを被写体とした作品を発表(銀座・小西六フォトギャラリー) 

    千葉県大原町で映画<へそと原爆>を制作(原作・脚本・監督)

1961年 9月より半年間、三島由紀夫を撮影。63年に写真集『薔薇刑』として刊行される。大野慶人も撮影に参加

1965年 土方巽と秋田へ撮影旅行を始める。以後、断続的に撮影が継続され、69年に写真集『鎌鼬』を刊行

    市川崑総監督の記録映画<東京オリンピック>のうち、「柔道」、「近代五種」を監督

1975年 東京写真大学短期大学部(現・東京工芸大学)教授となる。写大ギャラリーの開設に尽力

1978年 ジョアン・ミロをマジョルカ島に訪ねる

1982年 ドナルド・リチ―が企画した「日本の実験映画1960-1980」に<へそと原爆>を出品。同展は全米60カ所を巡回した

1994年 東京工芸大学芸術学部教授に就任

1995年 清里フォトアートミュージアムの初代館長に就任

1997年 『大野一雄』(書肆青樹社)が刊行され、写真作品が掲載される

1998年 千葉市美術館で開催された<大野一雄 蕭白を舞う>で大野一雄の身体に蕭白の絵を投影する

2000年 四谷三丁目「ルナ・ロッサ」フォト・フェスティバルを開催。大野一雄も路上で踊る

2006年 『細江英公人間写真集 胡蝶の夢―舞踏家・大野一雄』(青幻舎)刊行

受賞歴

1951年 第1回富士フォトコンテスト・学生の部 最高賞受賞

1960年 日本写真批評家協会新人賞、富士フォトコンテスト年間作家賞受賞

1963年 写真集『薔薇刑』で日本写真批評家協会作家賞受賞

1970年 写真集『鎌鼬』で芸術選奨文部大臣賞受賞

1982年 パリ市賞受賞

1983年 アルル国際写真フェスティバル名誉賞受賞

1994年 日本写真協会年度賞(1993年)受賞

1998年 紫綬褒章受章

2003年 英王立写真協会創立150周年特別記念メダル受章

2006年 日本人初のルーシー賞(アメリカ)受賞

2007年 旭日小授章受章

2010年 文化功労者顕彰

2017年 旭日重光章叙勲

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